OUTLINE OB BLACK*ROCKSHOOTER
SUBHEAD
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春。散り始めた桜の下で、2人の少女が出会う。
ひとりは、黒衣マト
――天真爛漫な笑顔の裏に、
彼女自身すら気づいていない"想い"を抱えた少女。
そしてもうひとりは、小鳥遊ヨミ
――凛々しくも大人びた表情に、
誰にも打ち明けられない"秘密"を隠した少女。
時おり寂しげな顔を見せるヨミに、
マトはなぜか心かき乱される。
一方のヨミもまた、
くるくると変わるマトの表情に吸い寄せられていく。
まるで自分の欠けている部分を、
相手のなかに見出したように、
引き寄せられていく2人。
初めは遠慮がちに、
でもいつしかしっかりと握られた手と手。
運命の糸に導かれるように、
マトとヨミは"絆"を結ぶ。
だが、やがて明らかになる、ヨミの"秘密"。
そしてマトが胸の奥に秘めていた"想い"。
少女たちの心と心がぶつかりあい、
叫び声を上げ始めるとき。
そのとき、世界は変わり始める。
鋭く胸を刺す痛みとともに。
誰も予想していなかった姿へと……。
SUBHEAD
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虚の世界。崩れ落ちた廃墟で、2人の少女が斬り結ぶ。
ひとりは、
意思を秘めた瞳に青い炎を宿す少女
――ブラック★ロックシューター。
もうひとりは、
鮮やかな緑の閃光を身にまとい、自在に鎖を操る少女
――デッドマスター。
人知を越えたスピードで疾走し、
2人の少女は空中を飛び交う。
次々と繰り出される攻撃に、
まるで耐えかねたかのごとく大地は割れ、噴煙を上げる。
まるで自分の秘めた"想い"をぶつけるように、
交錯する2人。
運命の糸に導かれるように、
少女たちは戦いに没入する。
そんな2人の様子を、
不気味な笑みとともに見つめる謎の存在、
ブラックゴールドソー。
終わることのない戦いの終わり、
始まりのない世界の始まり。
答えのない謎かけのように、
煌いては消える火花。
そして世界は、永遠のなかに閉じ込められる。
全身を揺るがす鈍い悲しみとともに。
彼女はこう口にする。
「わたしは"ブラック★ロックシューター"」と。
SUBHEAD
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始まりは2007年。インターネット上に発表された1枚のイラストレーションだった。黒い衣装を身にまとい、手には巨大な銃、そしてなにより印象的なのは、瞳からは炎のようにたなびく青い光……。ゲーム会社を退社後、イラストレーターとして活動していた作者・hukeが、発表したこの少女のイラストは、密かな反響を呼んだ。
本格的なブレイクは、翌2008年6月。このイラストからインスパイアを受けたsupercellのryoが、動画投稿サイト・ニコニコ動画上にオリジナル楽曲「初音ミクがオリジナルを歌ってくれたよ「ブラック★ロックシューター」」を発表。ryoらしい繊細かつドラマティックな展開が印象的なこの動画は、またたくまに注目を集め、現時点で300万回以上もの再生数を記録することとなった。
ゴシックかつ重厚な世界観と、センシティブでどこか冷ややかな硬質さを備えた少女の姿……。インターネットから生まれたこの新しいキャラクターは、数多くの熱心なファンを生み出し、やがてメディアの壁を越えた広がりを見せ始める。
2009年12月には、グッドスマイルカンパニーから1/8スケールフィギュア「ブラック★ロックシューター」が発売。翌2010年8月には、ねんどろいどとfigmaが同じくグッドスマイルカンパニーから発売されたほか、各種グッズ展開が繰り広げられ、大きな話題を呼んだ。
なかでも大きな反響を呼んだのは、2010年に発表されたアニメーション版『ブラック★ロックシューター』だろう。新進気鋭のスタジオ・Ordetが制作を担当したこのOVA版は、インターネット上で全編無料で配信されたほか、店頭やイベント、雑誌の付録として配布する(総枚数は60万枚)など、通常のアニメーションとはまったく異なるプロモーション・流通体制が取られた。
また内容面においても、主人公の少女・黒衣マトを中心に繰り広げられる、少女たちの日常とブラック★ロックシューターたちが繰り広げる迫力のバトルシーン、虚実が入り交じった構成など、「ブラック★ロックシューター」の世界をさらに押し広げることとなった(アニメーション版をベースに制作されたフィギュアは、予約だけで16万個を越える大ヒットを記録した)。
そしてこの2012年1月からスタートする、待望のテレビシリーズ。OVA版の設定をベースにしながら、黒衣マト/ブラック★ロックシューターと、彼女の友人となる小鳥遊ヨミ/デッドマスターたちの"友情"と"絆"を、よりセンシティブに、よりダイナミックに。インターネットから始まり新世代を牽引する一大プロジェクトは、今回のテレビシリーズで、新たな次元へと突入する。